三ツ星倶楽部 其之八 特別編 How to buy Mercedes-Benz Parts 3/3 信用できる筋から購入すべし!
2011年6月30日 – 12:00 | 0

構成/田村十七男・芥川貴之志 撮影/山田裕之

AKU さてやってまいりました。こちらはボッシュ社の車両診断機を備えた、指定サービス工場です。今回はこちらのエンジニアの方にも協力して頂いて、コピー部品の実態を暴いてみようと思います。
170 その診断機はコピーじゃないよね?
AKU 当たり前じゃないですかっ。失敬なっ!!
170 あ、ゴメン。もはや疑心暗鬼になっちゃって。この運転席に付いてる機械は何なの?
AKU これは送信機だそうです。室内にあるECUから信号を取り出し、Bluetoothでテスターに情報を送るんですね。
170 へぇ、すごいね。ハイテクだね。

AKU 今回テストするのは、エアマスセンサー。このパーツは、エンジンに取り込む空気量を計るもので、そのセンサーが出力した電圧に合わせてガスを噴射する量を調整するんですね。ということは、エアマスセンサーが狂えばエンジン回転が不安定になるわけです。
170 つまり、重要な部品であると。
AKU そういうこと。なのに意外とトラブルが多く、純正部品は値段も高いので、コピー部品が数多く出回っています。
170 いくらくらいするの?
AKU 車種によっても異なりますが、純正部品の定価が10万円をちょっと切るくらい。
170 結構するんだね。それがコピーだと?
AKU 1万円台からありますね。そこで用意したこの3種類。どれが本物かわかります?
170 もう、その質問は勘弁して。ってか、見た目じゃ全然わからないからさぁ。

AKU 本当にそうですよね。特に電子部品は判別がつきにくいんですよね。正解は、一番右がメルセデスベンツ純正部品、真ん中がBOSCH製の本物、左が偽物です。
170 ベンツ純正と、BOSCHの本物っていうのは何が違うの?
AKU 基本的には同じもので定価もだいたい同じですが、流通経路が違うので実売価格に差があります。メルセデスベンツ純正は基本的に定価販売ですが、BOSCHだと3割引、4割引は当たり前で、スピードジャパンの様なショップだと半額以下で売っている場合もあります。これがいわゆるOEM部品と呼ばれるものです。
170 偽物はさらにその半額というわけか。
AKU そういうこと。じゃ、とにかくテストしてみましょう。まずは現在車両に付いている本物を計測してみます。断続的にスロットルを吹かしてみると、エンジン回転の上昇と下降に合わせて山なりの曲線が描かれますよね。

170 ふむふむ。エア量もそれにシンクロしてるね。エア量が上がった直後にエンジンスピードも上がると。
AKU 次にコピー。同じようにスロットルを吹かすと……。
170 おや? 曲線にいびつなポイントが出てきたぞ!?
AKU エンジン音にしても、スロットルを吹かした瞬間にもたつくところがあるじゃないですか。センサーの感度が低いんでしょうね。これがコピー部品の実態です。

170 正体見破ったり、って感じ。たださ、テストでは激しくスロットルの開閉を行ってみたけれど、街中ではここまで荒い操作はしないよね。となると、もしコピー部品だと知らずにいたら、気づかないままだったりするんじゃない?
AKU エアマスセンサーに関して言えば、そういう可能性は十分にありますよね。女の人なんかが普通に街中で乗ってて、じわっとアクセルペダルを踏む限りでは、エンジンの不調は感じられないかもしれない。だけど怖いのは、粗悪部品の多くは寿命が短いことじゃないですかね。
170 と言うと?
AKU 最初はそれなりにまともに動作していたとしましょう。でも時間の経過とともに、段々おかしくなってくる。たいがいの人は、何かおかしいなと思っても、替えたばかりの部品は疑いませんよね。そうすると、どこに不調の原因があるのかわからなくなる。さらに正しく動作しない部品を付けたことで、ほかの部分に影響が出る場合もあります。Aの個所は新品部品に換えた。そしてBの個所にトラブルが起きた。するとたいがいの人は、Aの個所を疑いませんよね。Bの個所を調べ、あるいはCやDまでチェックし始める。こうなったら堂々巡りです。本当の原因はつかめない。
170 なるほどね。そりゃ厄介だよなあ。でもさ、どうやったらコピーを見破れるんだろ?普通はこうしてテスターでチェックなんて、出来ないじゃない。

AKU 見た目に関して言うと、例えばメルセデスに納入する部品にだけ刻まれる記号が、OEM部品には本来無いはずなのに、偽物にはあったり……。
170 すでにややこしい。
AKU そうなんです。よほどの部品知識がないと、本物かどうかなんて判断できない。プロでも両方並べて比較しないとわからないはずです。となると、信用できる筋以外からは部品を買わない、というのが恐らく唯一の手段なんですよね。
170 昔のクルマ屋さんは、よそで買ってきた部品の取り付けは受け付けてくれなかったよね。それは信用できないものに触れない職人の意地でもあったし、だからこそ信頼できた。けれど最近ではそういう商売ができないらしいね。ネットオークションがここまで浸透しちゃって、誰もが安いパーツを簡単に入手できるようになったから。

AKU そのネットオークションではコピー品が出回っている。実際、工場がお客さんの持ち込んだ部品を取り付けてみたら、まともに動作しなくて治らなかったり、寸法がおかしくてアライメントが取れなかったりして、お客さんとトラブルになるケースが頻繁に起きてるみたいです。
170 情報量が増えた分だけ、それを精査する能力がユーザーにも必要になってるんだよね。いずれにせよ自動車部品の世界でも粗悪な偽物やコピー品が多数存在しているわけで、メルセデスはその格好のターゲットになっている、ということかぁ。
AKU その事実を知り、どう対応するかは、個々の判断に委ねられています。とにかく信用できるルートを得るしかないですね。
170 オーナーのみなさん、くれぐれもご注意を!

今回はいつもと趣向を変えて、車ではなく部品に注目してみましたが、いかがでしたでしょうか?昔に比べてメルセデスベンツが身近になった分、部品市場で偽物や粗悪部品が蔓延っている実態が、おわかり頂けたかと思います。愛車と末永くカーライフを楽しむためには、部品選び、ひいてはショップ選びが、とても重要なのです。読者の皆様におかれましては、安さに釣られて粗悪品をつかまされぬよう、くれぐれもお気をつけ下さい。

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三ツ星倶楽部 其之五 W107 500SL 特別編 3/3 インテリア編
2010年7月31日 – 00:00 | 0
三ツ星倶楽部 其之五 W107 500SL 特別編 3/3 インテリア編

構成・撮影/芥川貴之志 撮影/山田裕之

さて今回は室内のお話です。インテリアと言ってもいわゆる内装部品のことだけではなく、クーラーなどの快適装備も重要な要素ですので、それらにも軽く触れてみたいと思います。クルマを運転している間は、ずっと室内にいるわけですから、インテリアが整っているかどうかって、満足度をはかる大切な要素ですよね。
痛んだシートはどう治す?

この時代のメルセデスベンツの内装は、欧州車の中ではかなり丈夫な方で、傷みにくいと言えるでしょう。どこかの国のメーカーのように、天井が垂れ下がってきたり、ドアの内張がベロンとめくれたりというトラブルはほとんどありません。しかしシートだけは、どうしても負担がかかる場所だけに、古くなってくるとヤレが目立ってしまいます。これは仕方のないところ。
表皮の傷みに関しては、素材によって直し方が異なりますが、革シートであれば最近は良いリペア業者さんがいて、表面の傷を埋めたりうまく塗装して仕上げてくれるようです。また傷がそれほど深くないようであれば、「染めQ」という名前で売られている補修用塗料などを使って、個人でもきれいに補修することが可能だと思います。傷みがあまりにもひどい場合は張り替えということになりますが、純正のシートカバーは高価な上に納期に時間がかかります。また黒、青以外の色は供給が終わっている可能性が高いので、シート張り替えの専門業者さんに作業を依頼した方が、早く安く仕上がるでしょう。ただしシートの張り替えは技術の差が大きく出ますから、施工業者の選択は慎重に。
ファブリック(布)シートの場合も内装専門の補修屋さんであれば、破れたり摩耗した部分をもとの生地とうまく色合わせして、補修出来るようです。しかし非常に手間のかかる作業であるため、面積が大きいと費用もかなりかかってしまいますので、補修するよりも革シートに一式張り替えをする方が多いように思います。
また一見革シートに見えて、実は合成皮革のMBテックスという素材を使ったシートもあります。MBテックスのシートはディーラー車ではあまり見ませんが、並行輸入車ですと珍しくありませんし、またディーラー車であってもドアパネルの表皮にはこの素材を使っています。MBテックスは大変丈夫な素材なため、傷や破れが生じることは稀ですが、もし補修が必要であれば革シートの補修と同じ作業をすることになります。
そして次にシート内部に関してですが、W107特有の症状として座面の歪みがあります。シートベースのスプリングが独特の形状のため、ヘタリが出やすいのです。この傾向は特に’86年以降の後期型に顕著に見られ、気になっているオーナーの方も多いのではないでしょうか。特に運転席側の座面が、ドア側に傾いてしまっているクルマが多いようです。

上の写真はモデルイヤー’86のSLのシートベースです。’85以前も基本的な構造は変わりませんが、材質等が微妙に変更されているのでしょうか、部品番号も違いますし定価ベースで見ると初期型の方が高価です。これがコストダウンのせいなのかどうかは確証がありませんが、後期型の方がシートがヤレていることが多いのは事実であり、その理由の一つがシートベースの作りの違いにあることは、どうやら間違いなさそうです。
そのシートベースですが、実は左右同じ部品番号、つまり同一部品なんです。そこで、もし座面の傾きが気になるようでしたら、まず左右のシートベースを入れ替えてみることをオススメします。まずはそれで気にならなくなると思いますし、そこからまた傾きが生じるまでは、かなりの時間がかかるはずです。もちろんシートベースを購入して交換するのが最善ですが、部品代はかなり高額ですから、こんなお手軽な修理方もアリなんじゃないでしょうか。

またシートベースを入れ替える際には、出来ればホースヘアパッドと呼ばれる内部のパッドと、その表面を覆う麻布を交換して下さい。このパッドはヤシの実の殻の繊維で出来ており、湿気を逃がして座り心地も良くする効果がありますが、劣化すると潰れてきてしまいます。麻布の状態も座り心地に大きく影響しますので、張り替えの効果は大きいと言えるでしょう。これらの作業は素人にはちょっと難しいですが、自動車内装専門の工場であれば、どこでも出来る作業です。
W107のダッシュボードって高いんです

’70年代〜’90年代初頭の古いメルセデスで、悩みの一つと言えるのがダッシュボードです。紫外線の影響で、どうしても表面素材が劣化してひび割れてしまうんですね。黒いダッシュボードは比較的丈夫ということが言えますが、青やグレーなどは早期に劣化が目立ち始めます。
通常ダッシュボードが傷んだ場合は丸ごと交換、となるわけですが、問題はその価格。現在W107のダッシュボードの国内定価は約35万円で、今後さらに値上げされる可能性が高い上に、生産そのものは終了しているため、メーカー在庫が終了してしまえばそれまで。となれば、ダッシュボード交換以外の解決方法を探った方が吉と言えそうです。
痛んだダッシュボードを目立たなくする、もっとも手っ取り早い方法は、スピードジャパンから発売されている「EZ COVER」でダッシュボードを覆ってしまうこと。このカバーは目の細かい上質なベロアカーペットで作られていて、見た目の上品さを損わずに痛んだ部分を隠し、ドレスアップ効果も発揮してくれます。同様のマットはアメリカでは定番のアクセサリーで、特に陽射しの強いカリフォルニアでは新旧問わず、多くのクルマがこういったマットをダッシュボードに敷いているのを見かけます。ですからまだダッシュボードが割れたりしていないというクルマでも、ドレスアップを兼ねて予防的に使ってみても良いのではないでしょうか。特に露天保管の車両はダッシュボードの日焼けに要注意です。
また別の方法としては、ダッシュボード補修用のキャップをかぶせて接着するという方法があります。一旦ダッシュボードを外して上手に装着すれば、新品のダッシュボードに交換したのと変わらないくらいの効果を発揮しますが、国内ではあまりこういったパーツが出回っていないのと、そういった作業に長けた業者さんを探すのがなかなか困難という問題があります。’70年代後半以降に発売された車種に比べ、W107はダッシュボードの脱着が極めて大変な車種でもありますので、不慣れな作業者に任せてしまうとトラブルの元になる危険性があります。
ウッドパネルは交換より補修?!

’70年代後半以降採用されたウッドパネルのヒビ割れや退色も、W107にはよくある症状です。予算が許すなら丸ごと新品に交換、がもちろんベストなのですが、W107の場合は製造期間が長かったこともあって、多種多様なウッドパネルが存在しました。もちろん品番が特定出来れば同じウッドパネルが届く可能性が高いわけですが、実際にはもっともポピュラーなタイプに品番が集約されていて、どのパネルでも新品が手に入るというわけではないのです。異なるタイプのウッドパネルであっても、穴が足りなければ開口し、穴が多ければ専用のパネルで塞げば使用可能ということで、メーカーとしては見た目までフォローすることは出来ないというスタンスなのです。
またW107の場合は一枚の大きな木板から実際に部品を切り出しており、車両出荷時はぴったり色が合っていますが、その中の一点だけを他のパネルに替えてしまうと、そこだけ色が合わないといったことも起こりがち。天然木を使ったパネルだけに、そこら辺はシビアだと言えるでしょう。
以上のような理由から、ウッドパネルのに関しては出来るだけオリジナルを使用し、どうしても見映えが悪いという問題があれば、そのパネルだけ専門の業者に依頼してリペアしてもらうのが、もっともリスクが低くコスト的にも有利なのではないかと思います。どの業者が安くて上手いか、といったことに関してはは情報が無いのでご紹介出来ませんが、最近は多くの業者さんが存在するようですので、サンプルなど見比べて判断されると良いでしょう。
もしどうしてもパネルを新品で購入して交換したい、という場合は、現物そのものや写真を用意して注文されることをオススメします。その場合でも、必ず同じパネルが手に入るという確証はありませんので、御注意を。
エアコンはガス漏れと電子部品が鬼門

古いクルマのエアコントラブルの代表格と言えば、やはりガス漏れ。それはW107も例外ではありません。しかし幸いなことに、室内に冷気を出すエバポレーターは比較的丈夫で、この部分からのガス漏れはほとんど無いようです。エバポレーターが要交換となると、ダッシュボードの脱着など作業が大変になりますので、この点は良いところ。じゃあどこから漏れるのか?と言うと、エンジンルーム内のホースが一番痛みやすいようです。これは足回りのゴムブッシュが痛みやすいのと同じ理由で、恐らくエンジンルーム内の高温が原因。ホースにオイル滲みが見られる場合は、交換なり修理なりをしましょう。エアコンの冷媒にはコンプレッサーの焼き付き防止のためにオイルが混ぜてあるため、ガスが漏れるとオイル滲みが見られるのです。
冷媒に関してはW107はR12、つまりフロンガスが基本です。レトロフィットと言って代替フロンであるR134aに仕様替えしている車両もあると思いますが、R134aはR12に比べて圧力が高くなるという特徴があるため、配管類がR12仕様のままでR134aを封入するとなると、十分な量の冷媒を注入することが出来ず、冷えが十分でなくなったり、また冷媒を入れすぎてガス漏れを誘発してしまうということもあり得ます。
最近ではR12と親和性のある代替フロンというのが出回っており、「Cold 12」という商品などはその代表格と言えますが、そういった代替フロンであればR12と変わらない冷却効率を得ることが出来ます。しかしそういったガスの使用は本来メーカーが想定していませんので、使用にあたっては何らかのリスクがあると考えた方が良いでしょう。Cold 12に関しては多くの車両の長期間運用の実績がありますが、それでも私のクルマではR134a用ホースとの相性問題と考えられるトラブルがありました。ですからいくら実績があると言っても、100%ではないということです。使用にあたってもあくまでも自己責任でお願いします。
ガス漏れ以外に多く見られるのは、コントロールパネルの故障とエアコンプレッサーリレーの故障です。これらは回路上の半田付けに問題があり、経年変化で接触不良が起きるのが原因の大半でしたが、生産終了から20年以上が経過し、コンデンサーの容量抜けといった問題も起きる頃です。これらの部品に関しては、今でもちゃんと供給がありますので、必要があれば交換という事になるでしょう。コントロールパネルはフルオートであるクライメートコントロールのパネルが新旧ともに壊れやすく、マニュアルのタイプは壊れにくいと言えます。
また動作には支障が無いけれど、ブロワーから笛の音のような音が聞こえて気になる、というケースも多いと思います。これはブロワーモーターのメタルの摩耗によるもの。本来はこのメタルを外してベアリングにでも交換出来れば良いのでしょうが、残念ながらこの部分は非分解式であるため、簡単には行きません。また油を差したとしても、もともとオイルレスベアリングで注油は不要なメタルであり、音の原因は摩耗ですから、根本的な修理にはなりません。というわけでブロワーモーターAssyの交換が必要となるわけですが、一つ救いなのは前モデルともにファンの付いたモーター本体部は共通であること。モーターに接続されている抵抗付きのハーネスは、エアコンの使用やハンドル位置に応じて多種類があり、その数だけモーターAssyの品番も存在するのですが、現在付いているハーネスに異常が無い場合は、モーター本体だけならどの品番のものでも流用が可能ですので、ディーラーに在庫が無い場合や部品取り車から調達したい場合には、分解してそこだけ流用するという手段もあります。とはいえ、それもまた作業する場合はあくまでも自己責任においてお願いします。
というわけでかなりはしょった説明にはなってしまいましたが、W107に関するメンテナンスのポイントをまとめてみました。後日加筆修正することもありますし、もし是非取り上げて欲しいという内容がありましたら、リクエストをお願いします。可能な限り調べて対応したいと思います。

三ツ星倶楽部 其之五 W107 500SL 特別編 2/3 機関編
2010年7月24日 – 00:00 | 0
三ツ星倶楽部 其之五 W107 500SL 特別編 2/3 機関編

構成・撮影/芥川貴之志

何だかんだ言ってもやっぱり一番重要なのがエンジン、サスペンションといった走りに関する部分。すべてを細かく掘り下げていくと、本が一冊書けちゃうくらいになりますので、本当に軽く触れるだけになってしまいますが、ポイントを絞ってご紹介しておきましょう。
エンジンで一番重要なのは燃圧。

18年も生産されていたW107ですので、初期と後期ではかなりシステムが変わっているのですが、1976年〜1989年の間はK&KEジェトロ(※正式にはジェトロニック)という機械式のインジェクションシステムが採用されていました。現在生き残っているW107はほとんどがこの年式の車両ですので、ここではそれ以前のDジェトロについては割愛させて頂きますのでご了承を。
で、その機械式インジェクションですが、まずは基本であるKジェトロ(モデルイヤー1976〜1985のW107に採用)のシステム図をご覧下さい。

いきなりこんな図を見せられても、何のことかわからないかもしれませんが、まず燃料タンクから順に燃料がどんな風に流れるか見て下さい。Kジェトロの場合、まずイグニッションSWをオンにすると燃料ポンプが作動し、ライン全体に4.5〜5.3kg/cm2の圧力がかかります。そしてエンジンを始動した後は、アクセルコントロールで吸気量が増えると、エアフローメーターによってフューエルディストリビューター(以下フューエルデスビ)内のコントロールプランジャーが動かされ、燃料の流量が調整されます。ちょっと難しいかもしれませんが、イメージとしては水道の蛇口に近いと考えて下さい。水道も配管内では一定の圧力がかかっており、流量は蛇口をひねる量で調整しますね?Kジェトロの場合は、まさに燃料の蛇口が付いているようなもので、チョロチョロからドバドバまでの調整をフューエルデスビ内で行っています。
実は国産車や最近のメルセデスなど、多くの自動車に装備されているインジェクターは、これとは違ったシステムを持っています。それはDジェトロというタイプとその進化系で、俗に電子式と呼ばれているタイプです。電子式の場合はパルス制御によって燃料噴射が行われるのですが、インジェクターノズル自体が燃料を送り出す動作をするため、燃料ライン内の圧力はさほど重要ではありません。ところがKジェトロの場合、燃料ポンプによって作り出された圧力がそのままノズルから噴射する力になるため、ライン圧が落ちると噴射量も減るという結果になってしまいます。家の蛇口も、風呂場でシャワーを使ったりすると水圧が落ちて、いくら蛇口を開けても水が出なくなりますよね?それと同じ現象が起きてしまうのです。
この電子式と機械式の構造的な違いは、多くのメカニックがはまる落とし穴だと思います。整備のコツと言いますか、調子を崩す原因となるポイントが違うのです。Kジェトロを搭載したエンジンの場合、もちろん点火系の異常などにも注意を払わなければいけませんが、一番のポイントはライン圧です。ライン圧が正常でなければ、いくら他を調整しても無駄です。よくライン圧が下がってしまったクルマで、フューエルデスビの調整ビスを回して燃料を濃く調整して誤魔化しているケースを見かけますが、これでは流量は増えても圧力が上がらないため、一見調子が良くなったように見えても、燃料がシリンダー内で正常に気化されず、すぐに調子を崩します。これは本当に多く見られるミスで、ヤナセなどのディーラーでも普通にやっていますので、注意が必要です。
ではどうすれば燃圧が正常になるかと言うと、まずは燃料ポンプリレーと燃料ポンプ本体です。これらが劣化して吐出量が減ることで、圧力が下がることが原因としては一番多いようです。よくポンプから音が出たら交換、なんて言われますが、実際音は関係無いと思います。音が出てても吐出量に変化がなければ問題無いわけですから。そしてフューエルアキュームレーターやフィルター、インジェクターノズルといった部品も、劣化した燃料やカスが堆積して通路を塞ぎ、流れを悪くするケースが多々見られます。ですから古いクルマでこれらを交換した形跡が無い場合は、一度まるごと一式交換してやることで、燃料システムを初期化することが出来ます。そうして正常な燃圧にしてやらないと、調整作業もすることが出来ないわけで、交換するべきものを交換せず調整だけで何とかしようと思っても、結局治らないままになってしまいます。
ではKEジェトロの方も見てみましょう。

こちらがKEジェトロのシステム図です。Kジェトロとの一番の違いは、エレクトロニックコントロールユニット(ECU)による制御が積極的に行われるようになっているところです。フューエルデスビには差圧レギュレーターという部品が追加され、この部品に電気信号を送ることで、フューエルデスビ内の燃圧を任意に変化させることが出来るようになっています。つまり気温や水温、排気ガスの濃度をECUが見て、それに応じた適切な噴射量に調整する機能を持っているのです。
KEジェトロが生まれた背景には、性能向上というよりも環境対策という側面がありました。よりクリーンに、より低燃費にするため、こういった機能が必需となったわけです。ですからKEジェトロを搭載した車両でも、ヨーロッパ仕様の500SLなど、マフラーの触媒やブローバイシステムを備えていない個体だと、O2センサーも取り付けられておらず、KEジェトロを搭載していてもECUは排ガスを見ていない場合もあります。
KEジェトロの場合、ポイントはフューエルデスビの前後でライン圧が変わることです。ですから燃料ポンプ等を交換してフューエルデスビ以前のライン圧が正常になったとしても、O2センサーが変なフィードバックをしたり、差圧レギュレーターが壊れてしまうと、フューエルデスビ以後のライン圧が崩れて不調になってしまうのです。ですから問題の部分がどこにあるのか、を探るのが少々困難となりますが、基本的な構造はKジェトロと一緒ですので、やはりライン圧が重要というのは変わりません。
点火系や内燃機に関する説明は次の機会に譲りますが、基本的なところは古めのメルセデス全てに共通します。プラグコードがリークしていないか、デスビキャップ&ローターが摩耗していないかなどのチェックは、当然必須です。また丈夫なエンジンですのでそう簡単に壊れることはありませんが、オイルは鉱物油ベースが良いでしょう。化学合成油は樹脂やゴムの部品を痛めます。稀にチェーンガイドが破損してタイミングチェーンが切れた、なんてトラブルもあるようですが、そういったケースも鉱物油だけを使っていれば防げたのではないのかな?と個人的には思います。もちろん確証があるわけではありませんが、自分の経験上では古いメルセデスに化学合成油の組み合わせは、リスクが高いと判断します。
フロントの足回りは要注意。

本編でも説明した通り、W107のフロント足回りはいわゆる縦目コンパクトと呼ばれるW114&115がベースになっています。リアはW116に近いもので、特に問題はないといいますか、トラブルは少ないのですが、問題はフロント。華奢な(?)サブフレームに重いエンジンを載せ、エンジンルームも狭く設定してしまったものだから、さあ大変。サブフレームに亀裂が入るわ、ゴム部品がすぐイっちゃうわで、注意深く点検する必要があるのです。
ちなみに問題のサブフレームに関しては、下記の車体番号がリコールになっています。しかし、実際には’80年代前半の車両(500SL、500SLC等)でも同様のケースが見られるので、注意が必要です。

型式

通称名

車体番号

107023

350SLC

WDB107023-12-000001~013925

107043

350SL

WDB107043-12-000001~015304

107024

450SLC

WDB107024-12-000001~013547

107044

450SL

WDB107044-12-000001~030992

C-107024

450SLC

WDB107024-12-013548~032223

C-107044

450SL

WDB107044-12-030993~066298

熱害によるゴム部品の劣化はかなり多く見られるケースで、サブフレームマウントやエンジンマウント、サスアームマウント、タイロッドブーツ、各種ホースなどは、定期的にチェックした方が良いでしょう。しかしこれら全てを交換するとなると、かなり金額的にもかかってしまうため、手を入れられないままになっている車両を、中古車市場では多く見かけます。現状大丈夫だとしても、乗り始めるとすぐにダメになる、というケースも多いので、これからW107を買おうという人は、フロント周りの総体的なリフレッシュも、車両購入計画の一部に入れた方が良いのではないでしょうか。

フロント周りの重い部品一式を支えているサブフレームマウントは、特に劣化しやすい部品です。車高や走りの安定性、乗り心地にも影響しますので、交換した形跡が無ければ一度交換してみることをオススメします。ただし社外部品の中にはセンターが合っておらず、クルマがまっすぐ走らなくなるような物があるそうなので、御注意を。純正部品か、OEM供給しているFebiビルシュタイン、レムフォーダーあたりがオススメです。
またステアリング系統も、W107の場合は重いエンジンを搭載したことで、痛みやすくなっています。ステアリングギアボックス本体やギアボックスとコラムを繋ぐジョイント部にガタが出ていたり、タイロッドにガタが出ている場合が多いので、こちらも定期的な点検と交換が必要と言えるでしょう。
これらの部品は並行輸入部品などを使うことで、経費や安く抑えることが出来ますが、エクステリア編でも触れた通り、アメリカ等で出回っている部品は粗悪品や偽物が多いようです。安いからと言って飛びついてしまうと、正常にアライメントが出せなかったり、すぐにまた交換が必要になったりという結果になりますから御注意を。実は筆者自身もそういった経験がありますので、少し紹介しておきましょう。

この写真を撮影した日付は、2002年8月27日です。今も乗っている500SLのタイロッドが痛んでいたので、自分で交換をしました。左の古いタイロッドのブーツから、グリスが漏れているのがわかるでしょうか?
この時はアメリカからパーツを取り寄せました。MEYLE(マイレ)というメーカーのもので、OEMメーカーでは無さそうでしたが、とにかく値段が安かったので、まぁたいして変わらんだろうと考えて購入したのです。ところが片側のタイロッドのエンド部のネジがロックしていて、回らないのです。これではアライメント調整が出来ませんので、さあどうしようと考えた結果、まだブーツの破れていない純正のタイロッドと組み合わせて使うことにしました。幸いガタも無かったし、ネジの規格も一緒でしたので、恐らく15年間無交換だったオリジナルタイロッドと、マイレのタイロッドエンドを組み合わせたのです。
それから7年後、2009年のことです。いつもお世話になっている工場に、エンジンマウントとサブフレームマウントの交換をお願いしたのです。預けてから数日後、電話がかかってきました。「タイロッドがダメですね〜。ブーツ割れてますよ。」とのこと。すぐにスピードジャパンからタイロッドを工場に送ってもらい、数日後に作業は完了。受け取りの際に外した部品を見せてもらって驚きました。破れていたのは、交換した新しい方の部品だったのです。

こちらが7年後の姿。右は7年前に新品で購入し、取り付けたマイレのタイロッド。左は22年前から無交換だった純正のタイロッドです。純正の方のブーツはまだ使えますが、マイレの方は完全にアウト。こんなブーツ全体がヒビ割れてしまうようなタイロッドエンドは、初めて見ました。

僕のクルマは4つのタイロッドエンドのうち、3つがマイレだったわけですが、そのすべてが同じようにヒビ割れていました。ですから偶然ではなく、クオリティがそういうレベルなのでしょう。対してレムフォーダーが生産したと思われる純正のタイロッドは、まだ使える状態なんです。ちなみに7年間の走行距離は約4万キロ。年数から言っても、距離数から言っても、この程度で寿命を迎えてしまう部品など、はっきり言って問題外です。そういった部品が広く流通していて、中には純正よりも質が良いなんてデタラメなことを言っている業者さんさえいるそうですから、まったく困ったものです。
実はワタクシ、これが発覚する前にもマイレで失敗をしています。W124に乗っていた時、ウォーターポンプから水漏れを起こしてしたので、マイレの安いポンプを購入して交換したんです。そしたらなんと、ポンプの鋳造に問題があって、新品なのに水が漏るじゃありませんか。
今では質の悪いウォーターポンプは水漏れするというのが、半ば常識化していますが、当時はそんな話は聞いたことがありませんでした。それ以来、品番違いも含めて個人輸入のリスクの大きさを強く実感して、部品はほとんど国内で買うようにしているのですが、いずれにせよ質の悪い部品に当たる確立の高いメーカーには、注意が必要です。スピードジャパンでも過去にそういった部品を出してしまったことはあるそうですが、工場やお客様からのフィードバックがあれば、すぐに検証して取扱いを止めたり、代替品を供給したりするようにしているとのことです。すべての業者さんにそういった対応をして頂ければ文句はありませんが、なかなかそうもいきませんね。皆様におかれましては、くれぐれもネットオークションで粗悪品を掴まされることなどないよう、お気をつけ下さいませ。
次回、インテリア編(3/3)に続く……

三ツ星倶楽部 其之五 W107 500SL 特別編 1/3 エクステリア編
2010年7月17日 – 00:00 | 0
三ツ星倶楽部 其之五 W107 500SL 特別編 1/3 エクステリア編

構成・撮影/芥川貴之志 撮影/山田裕之

さて、今回からは特別編と題しまして、W107のメンテナンスなどに関する話題をお届けしたいと思います。筆者自身、1997年から後期型の107/500SLを2台乗り継いでおりまして、様々なトラブルやメンテナンスを経験してきました。特に若かりし頃、最初の107を買ったばかりの頃は、ギリギリの予算で購入したこともあって、大変だったものです。修理の必要性は感じても見積りの高さに驚き、ヤナセに行けば門前払いに近い扱いを受け、なんとか自分で海外から部品を調達するすべを開拓して、試行錯誤しながら段々と自分自身でもメンテナンスをやるようになっていきました。そうした体験の中から、多くの107に共通するであろう、維持するためのポイントみたいなものを、かいつまんで紹介してみたいと思います。では初回はエクステリアに関する話題から。
まずはSLのアイデンティティたるソフトトップ!

のっけからSLCオーナーの皆様にはすいませんが、ソフトトップすなわち幌のオハナシ。やはり107は圧倒的にSLが多く、そしてまた幌に関しては多くの方が興味を持っているようです。
まず1つ言えることは、幌は消耗品だと言うこと。馬車の時代から幌車というものは、オープンで乗るのが正式なんですね。幌というのはあくまでもエマージェンシーとして使用するもの。SLにおいても、天気の悪い日や気候が適さない時期はハードトップを着用し、オープンで走行中に天候が崩れた際にだけソフトトップを緊急避難的に使用するというのが、本来のコンセプトなんです。
だから幌に関しては耐久性をそれほど考慮されていないし、痛んだら張り替えるというのが、これまた馬車の時代からの伝統でもあります。近年ではハードトップそのものが開閉するスタイルが主流となってしまい、こうした風情が失われていくのが個人的には残念と感じているのでありますが、ともあれ痛んだ幌はさっさと交換しちゃいましょう。
ソフトトップを交換する場合、幌骨ごとAssy交換する方法と、幌布だけ交換する方法があります。ヤナセなどに行って幌を交換してくださいと言うと、高い確立で骨ごと交換と言われるようですが、これは当然かなりのコストがかかります。やはり主流は幌布だけの交換でしょう。中には割れた窓だけを交換したい、という方もいらっしゃいますが、窓を交換する場合にも幌は脱着しないといけませんし、窓の脱着縫製工賃が別に必要な上、以前の縫製穴から雨漏りするケースが多いようです。幌布を安く入手出来る場合には、丸ごと交換した方があらゆる面で良いと言えます。
幌布だけを交換する場合、純正部品の幌布以外にも社外品を選ぶことが出来ます。現在多く流通しているものは、アメリカの会社が販売しているもので、「ステイファーストクロス」という素材を使用したものと、「ジャーマンクロス」という素材の2種類があります。
ステイファーストクロスは多くの米国車のソフトトップに採用されている素材で、メルセデスベンツ純正のものとはちょっと素材感や色味が異なりますが、大衆車向けに作られている素材ですから価格が安いのが最大の特徴です。ジャーマンクロスの方はその名の通りドイツ車の多くに採用されている素材で、メルセデスベンツ純正の幌もこの素材で作られていますから、見た目はまったく同じ。ただし窓の部分に入る刻印が、メルセデスのものではありません。
筆者のオススメとしてはやはり、社外品のジャーマンクロスを使った幌です。価格的にも純正品より大幅に安く手に入りますし、実際自分のクルマでも使用していますが、性能的にはまったく問題ナシ。ステイファーストクロスの幌を取り付けた107もたまに街で見かけますが、やはり生地が違うせいか少々違和感を感じます。
幌の交換はディーラー等に頼まなくても、専門の業者さんに直接持ち込んでお願いすることが出来ます。iタウンページなどで”幌 内装”などと入力して検索すれば、近くのお店を探すことも出来るでしょう。工賃はお店にもよりますが、5〜7万円といったところが相場のようです。
ちなみに張り替え技術の上手い、下手はもちろんあると思いますが、張り替え終わった自分のクルマの幌がシワシワだからと言って、落胆する必要はありません。張り替えたばかり幌はだいたい波打ってるものでして、そこに水をかけたり、雨が降ったりして、伸縮を繰り返すうちに段々と馴染んでくるんです。ですから、よほど下手な作業をされていない限り、まともに見れる状態に落ち着きます。シートの張り替え等に比べたら、作業者のスキルに左右されにくい作業と言えるのではないでしょうか。
曇ったメッキトリムは交換!

クロームメッキのパーツが多いのは、クラシックメルセデスたるW107の特徴の1つです。バンパーやグリル、エンブレムといったパーツのメッキは非常に堅牢なのですが、ウインドウトリムなどのメッキについては曇りが発生しやすく、白くなっているクルマを多く見かけます。
曇ったメッキは磨けばいい、と思われがちですが、この曇りは表面層と下の層の間に起きるようですので、曇りを除去出来るまで磨き込むのは大変な作業です。またそこまで磨き込んだ場合は、表面層が完全に削り取られた状態になっていますので、耐候性も低下してしまいます。
また再メッキを検討される方も多いようですが、W107のトリムは大変薄い素材なので、一度脱着すると波打ってしまう場合が多々あります。また再メッキ自体、丁寧な磨き作業が必要で工賃はかなり高いものとなりますので、バンパーなどの単価の高いパーツや、部品の供給が無い場合を除けば、部品そのものを買ってしまった方が安い場合が多いと思います。
ですからメッキトリムの曇りの改善に関しては、交換が基本と考えた方が良いでしょう。ディーラーで部品を取ると、点数が増えた場合には高額となるかもしれませんが、並行輸入部品であればかなり節約することが可能です。
ゴムパーツは純正に限る?

ウェザーストリップなど、エクステリアに使用されているゴムパーツは、絶対に純正部品を選びましょう。純正品と社外品を見比べてみると、硬さや形状がずいぶんと違うことがわかります。特にピラーレスドアを採用しているW107は、ドア周りに多くのゴムパーツを使用しており、ドア位置やウインドウ位置を細かく調整してフィッティングさせるようになっていますが、形状の違うゴムパーツを取り付けてしまうと、いくら調整しても絶対に合わなくなってしまいます。
特にSLの場合はソフトトップとハードトップの両方で調整をしなければなりませんので、ゴムパーツは純正部品に限ります。そして調整する場合はハードトップを基本にしましょう。ソフトトップの方は幌骨が動いてある程度調整してくれますので、最初は合わなくても段々と馴染んでくるようです。逆にソフトトップの現状を基本に調整してしまうと、ハードトップに交換した際にドアが閉まらなくなってしまう場合があるので要注意です。
W107が多く輸出されたアメリカでは、数多くの107用部品が流通しており、ウェザーストリップなども安価で買うことが出来ますが、これこそが粗悪な社外部品です。社外部品の危険性については他の項で改めて触れますが、ウェザーストリップに関しても注意が必要です。純正のゴムパーツに関しては、アメリカでもディーラーから仕入れるしかありませんので、安売りしている業者はほとんど存在しないのではないでしょうか。個人輸入などをされる際には、特に注意して頂きたいと思います。

W107の場合、Aピラーのウェザーストリップは大変凝った構造になっています。3種類のゴムパーツを接着した上で、水切りのための布を貼り合わせて作られているのですが、社外品を注文するとただの硬〜いゴムのカタマリがやってくるのです。最近のピラーレス車はドアの開閉時に窓が動いてフィッティングを調整しますが、W107の場合は繊細な調整が命。正しい部品を正しく使うことが、正確な調整をするためには重要なのです。

そして意外と忘れられがちなのが、この部品。はっきり言って紛失しているクルマが多いです。このゴム部品はドアの当たりをやわらげるためのものなのですが、構造に難があって壊れやすく、無くなりがちな部品です。W107をお持ちの方は、ちゃんとこれが付いているか、確認してみて下さい。
次回、機関編(2/3)に続く……

MB-Net TV Vol.2 500E 解体新書 2/2
2010年4月16日 – 00:00 | 0
MB-Net TV Vol.2 500E 解体新書 2/2

出演/武井寛史 制作/音速ムービーズ 協力/エスファクトリー・JDDA

第2回500E特集の後編では、前編から引き続き500Eのメンテナンスポイントの紹介と、さらにはマニアが作り上げた究極の500Eカスタムまで登場?!500Eがドラッグレースを走っちゃうんです。500Eファンなら見逃せないマニアックな世界を、レーシングドライバー武井寛史がレポートします。
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MB-Net TV Vol.2 500E 解体新書 1/2
2010年4月9日 – 00:00 | 0
MB-Net TV Vol.2 500E 解体新書 1/2

出演/武井寛史 ゲスト/中村孝仁 制作/音速ムービーズ 協力/エスファクトリー

MB-Net TV第2弾のテーマは、根強い人気を誇るW124の500E&E500です!ポルシェの技術者が開発段階から関わり、ポルシェの工場で一部生産が行われたという、メルセデスベンツの歴史に残る名車500E。その魅力を探るべく、レーシングドライバー武井寛史がレポートします。
前編ではかつてノバエンジニアリングでメカニックを勤めていたという、モータースポーツ業界の生き字引、中村孝仁氏が登場。500Eの生い立ちをジャーナリストの視点から語ってくれます。そして500Eオーナーとその予備軍なら誰でも気になる、メンテナンスポイントについて、エスファクトリーの柴田氏が解説します。
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MB-Net TV Vol.1 ブレーキパッド全開テスト 2/2
2010年1月30日 – 00:00 | 0
MB-Net TV Vol.1 ブレーキパッド全開テスト 2/2

出演/武井寛史・芥川貴之志 制作/音速ムービーズ 協力/HEROしのいサーキット

ブレーキパッド全開テストの後編です。全6種類の内、TRW(LUCAS)、MEYLE、EBCの3種類。定番的なブランドでまとめた前編に対し、後編ではリーズナブルなのが最大の特徴と言えるTRW・ルーカスとマイレ、そしてやや高価だがスポーツパッド的な性格を持ったEBCをテストしました。さて総合評価は如何に??(前編をご覧になりたい方はここをクリック!)
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MB-Net TV Vol.1 ブレーキパッド全開テスト 1/2
2010年1月23日 – 00:00 | 0
MB-Net TV Vol.1 ブレーキパッド全開テスト 1/2

出演/武井寛史・芥川貴之志 制作/音速ムービーズ 協力/HEROしのいサーキット

ブレーキパッド全開テストでは、スピードジャパン・メルセデスベンツ190E(W201 190E 2.5-16)を栃木県ヒーローしのいサーキットに持ち込み、各社から発売されているメルセデスベンツ用社外ブレーキパッドを、レーシングドライバー武井寛史のドライブで全開テストし、比較検証してみました。
テストしたメーカーは全6種類。前編ではTEXTAR、ATE、JURIDの3種類です。尚、本編では触れておりませんが、テストに使用した190Eはエンジン性能向上に伴うブレーキ強化のため、後期型R129用の大径ブレーキシステムが組み込まれています。そのためテストしたパッドはR129用のものとなりますが、パッドの素材等のプロフィールは対応車種が変わっても同じですので、W201ユーザーの方はその点ご了承下さい。
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三ツ星倶楽部 其之一 W124 300E 4/4 W124に昭和を感じる?
2010年1月16日 – 00:00 | 0
三ツ星倶楽部 其之一 W124 300E 4/4 W124に昭和を感じる?

AKU え~、僕の個人的な意見ですが、クラシックカーの定義には、年式や年数は関係ないかもしれないと思うんです。前に1978年あたりの『カーグラフィック』を読んでいたら、クラシックカー専門!ていう店の広告が載っていたんですけれど、扱っているのは’60年代の車種なんですよ。あの当時で10年から20年のタイムラグでしょう。じゃあ今’90年代前半のクルマを胸を張って[…]

三ツ星倶楽部 其之一 W124 300E 3/4 セダンには道具館が漂う?!
2010年1月8日 – 00:00 | 0
三ツ星倶楽部 其之一 W124 300E 3/4 セダンには道具館が漂う?!

AKU シンプルなルックスで、なおかつよく走る。ボッシュの機械式フューエルインジェクションもいい仕事するんですよ。あれは燃料ポンプの圧力でガスを吹くんですけれど、点火さえしていればエンジンは止まらない。ECUも働いているけど、そこがブレインじゃないんです。あくまでサポート。現在のECUはクルマの社長みたいな感じでしょ?でも当時はマネージャーどまり。その謙虚さがいい。[…]

三ツ星倶楽部 其之一 W124 300E 2/4 既成概念的ヒエラルキーに縛られない
2009年12月31日 – 00:00 | 0
三ツ星倶楽部 其之一 W124 300E 2/4 既成概念的ヒエラルキーに縛られない

170 クルマの家電化、あるいはエコ問題の解決や妥協がクルマの生きる道になってきて、パワーだ、デザインだ、300馬力より301馬力がエラいってことを誰も言えなくなって、ちょっと萎えてるんだよ。その観点に立てば、「W124は最後のベンツだ」と叫んでファンが大事にしようとする気持ちは理解できる。そういう感情は、今の雑誌に反映されにくいもんね[…]