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鉱物油ベースのエンジンオイル


世の中に高性能エンジンオイルと謳った商品は数あれど、それらがすべての車にとって有益かというと、決してそうではありません。
最近の高性能オイルは100%化学合成が主流であり、その多くはエステル系の合成油をベースオイルに使用しています。こうしたオイルは確かに性能が高く、物理的安定性が高いため長期に渡って性能を維持することが出来ます。
しかし反面、その分子構造からくる流動性の高さや清浄分散能力の高さにより、特に古い設計のエンジンの場合はガスケット類が浸食され、オイル漏れや圧縮漏れを誘発する危険性があります。走行距離の多い欧州車でオイル漏れやオイル下がりを起こしている場合、その原因は化学合成油を入れたことによるケースが大半ではないでしょうか。

1990年代の前半頃まで自動車用オイルの主流は鉱物油でした。
しかしその後化学合成油が主流となるにつれ、鉱物油ベースのオイルは進化を止めてしまい、日本国内の自動車用品店の店頭では安さが第一の廉価版商品を除いて、ほとんど鉱物油は見られなくなってしまいました。
しかしドイツでは違います。多くの古い車(特にディーゼル車)が現役で走っている現地では、まだまだ鉱物油の需要が高く、添加剤を配合した高性能な鉱物油ベースのエンジンオイルが販売されているのです。その代表格と言えるのが、メルセデスベンツ純正オイルの承認も受けているフックス社の、チタンユニバーサルオイルです。

このオイルの特徴は、鉱物油ベースでありながら、化学合成油に引けを取らない安定性や耐久性、清浄分散性を備えていることです。そしてもちろん、ガスケット類への攻撃性は低く抑えられています。

スピードジャパンがこのオイルに注目したのは、私たちがメルセデスベンツ190E 2.5-16Vで出場した夏の12時間耐久レースにおいて、最適なオイルが見つからなかったからでした。気温が40℃近いツインリンクもてぎサーキットで、20年近く前のエンジンをレッドゾーンまで回しながら12時間酷使するというのは、ある意味で絶好のテスト環境だったと言えるでしょう。
私たちは事前のテストでまずチタンユニバーサル40を試用し好感触を得ていましたが、走行時間が伸びるにつれ油温の上昇が見られたため、本番ではチタンユニバーサル 50を使用しました。
結果はまったくのノートラブルで完走。油温の上昇やヘッドからの異音も無く、オイル漏れは一滴も無し。まさにパーフェクトな選択でした。

スピードジャパンは1990年代以前の欧州車に、絶対的な自信を持ってこのオイルをお勧めします。
4&6気筒(メルセデスベンツ M102、M110、M103、M104等)には15W-40を、8気筒(メルセデスベンツM116、M117、M119等)や1970年代以前の車、オイル消費の激しい車、サーキット走行を行う車には20W-50が最適です。


By Aku



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