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お金持ちの車


ときどき車雑誌の座談会に参加することがあるのですが、話題がその会のテーマとはどんどんかけ離れていき雑談会になってしまうことがよくあります。
先日もサーキット走行に関する座談会だったのに、いつの間にか一番お金持ちが乗る車って何だろうみたいな話になってしまいました。
ロールスとかマイバッハなんて意見もでたのですが、最終的には値落ちが一番激しい車なんじゃない?というのが結論でした。

確かに私が子供の頃のお金持ちは今のプチ金持ちとは違って、とてつもなくお金持ちだったような気がするのですが、そういう人たちはキャディラックとかリンカーンコンチネンタルなどのアメ車に乗っていることが多かったように記憶しています。
買った翌日には数百万円の減価償却って感じでしたが、そんなこと別に気にしないお金持ちの車だったんですね。


実は今日ニューヨーク在住の従兄弟から連絡があって、彼の顧客であるお金持ちから、車庫の設計に関連してどの車を買うべきかという相談を受け、どうなの?と私に聞いてきました。
候補に挙がっているのが、VW Phaeton。

知ってますか?この車。
2002年3月のジュネーブショーで発表され、翌年5月からヨーロッパ諸国で販売が開始された VW初の高級セダンです。
ドイツ本国での値段は、一番安いV6 TDI で 66,500ユーロ、一番高いW12のラグジュアリー仕様が 121,200ユーロ(今日のレートで約1300万円)ですから、BMW 7シリーズよりちょっとだけ安い感じです。

ドイツ、ドレスデン市中心街に位置する「グレーゼルネ マヌファクテュア(ガラスの工場)」と称される専用工場で1日に35台だけがほとんど手作りで製造されています。
おそらく原価率は現行ベンツSクラスなんかより相当高いと思われ、その意味ではとてもお買い得な車のはずなのですが、これがなかなかお金持ちな車なんです。

メインターゲットとなった市場はアメリカでしたが、2003年から2006年の4年間の間に売れたのが2500台程度だったので、2006年には米国を撤退してしまいました。
今年モデルチェンジしてもう一度米国内で発売されることになったのですが、相変わらず特徴のないスタイルでハイブリッドモデルなどもなく、おそらく今度もまた売れないと思われます。
また、そういう不人気車種は中古車市場でも需要はなく、とてつもない値落ちを覚悟しないといけません。
実際、2006年最終の一番高い12気筒モデルで走行距離も少ない極上車でさえ3万ドル前後、250万円程度で中古車屋さんの店頭に並んでいます。
つまり、3〜4年で1千万円以上値が落ちるわけです。

ということで、

「そのお客さん、凄いお金持ちなの?」

と聞くと

「普通のお金持ちかな」

という答えだったので、

「その程度のお金持ちじゃベンツかBMWにしておいたほうが無難だね」

というアドバイスになりました。


By OZW



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