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W126 500SE リアハブベアリング

 
W126 500SEで、途中いろいろ寄りながら愛知県まで走りました。
100km/h+αくらいだと何の問題もなかったのですが、(例えば富士スピードウエイのストレートなどで) 200km/hくらいまでスピードを上げていくと、170km/hくらいから細かな振動が出始めました。
初めはホイールバランスかな、と思ったのですが、160km/hくらいまでは全く発生しませんし、170km/h以上ではどの速度域でもずっと振動が続きますから、どうやら別の原因のようです。

翌日、別件でガレージえちごやさんに寄ったときに相談してみると、工場の周りをぐるっと一周しただけなのに「フロントのタイロッドダメだね」「ドアがしっかり閉まってないよ」「リアのハブベアリング緩んでるんじゃないか」「エンジンマウント一度も変えてないんじゃない?」と、次々に指摘されました。

フロントサスのどこかに問題があることは薄々感付いていました。
仰るとおりドアはガムテで誤魔化しています。
エンジンマウント、確かに記録簿には交換履歴はありません。
リアハブベアリングに関しては、全く気付いていませんでした。

他の部分はどこでも整備出来そうですが、リアハブベアリングのグリスアップと増し締めは難しそうなので、この作業だけはその場でしてもらうことにしました。





てことで、先ずは、右側




ドライブシャフトを外します




インナーリングケースの取り外しと増し締めは、この専用特殊工具が必要です。




インナーケースを外したところです。
グリースが半分以上無くなっていました。




純正品をベースにしたえちごや特製ブレンドのグリースを塗ってもらい、規定値で締めこんでみると円周上で1.5mmほど緩んでいたことが分かりました。
「でも、この程度の緩みではそんなにガタは出ないはずなのになあ・・・・?」
と不思議な様子です。




続いて左側
やらかしてくれていました。
整備は全部旭川ヤナセでやっているはずなのですが・・・
特殊工具なしで増し締めしようとしたのでしょう。
タガネか何かで無理やり打ち込んだ跡があります。




何とか特殊工具が嵌ったので、インナーケースを外してみると、もう真円ではなく目で見ても楕円になっているのが分るくらいです。

中は酷い状況で、ゴムシールを押さえていたワイヤーリングが飛び出してしまっていたため、グリースはほとんど残っていませんでした。このまま走り続けていたら焼き付いてしまうところでした。

SSTがなければ他の工具を工夫して使うなり加工して自作してしまうのは熟練のメカニックならではの仕事です。
ですが、タガネで部品をぶち壊して締め付けるというのは頂けません。プロの仕業だとしたらあるまじき整備方法です。

いずれにしても、ここまで破壊行為をされてしまっていては部品自体の交換以外に手はなく、調べるとちょうど名古屋(楠)のヤナセに在庫有りとなっていましたので、取りに行ってもらうと、何と在庫管理の入力ミスで在庫ありません。

ということで、乗って帰ることが出来なくなったのですが、これがある意味嬉しい展開につながります。



By OZW



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