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E24 Alpina B10 その3

 
昔、R32 GT-Rのカタログスペックは280馬力だったのですが、ブーストアップしてECUのROMとマフラーを交換してやるだけで、簡単に400馬力になりました。
ただ、この車の場合は、もともと400馬力仕様のものを当時の馬力自主規制で無理に280馬力にディチューンして販売していたという特殊な事情がありました。
そうでなければ、そうそう簡単に100馬力以上なんて上げられるものではありません。

ところが、車関係のその手のパーツは昔から超誇大広告がまかり通る世界のようで、このB10クーペに付いていたターボキットの広告にも確かに100馬力アップとありました。
B10クーペのカタログスペックが261ps/5800rpmですから、360馬力ということです。




フロントパイプからマフラーにつながる部分です。
50πしかありません。
この径では260馬力が精一杯でしょう。
また、フューエルポンプを調べてみると231馬力だったポルシェ930のカレラと同じものを使っていることから最大噴射量を使い果たしても計算上260馬力程度が限界のはずです。
ガソリンエンジンでガソリン足りてないのに馬力が出ていたとしたらオカルトの世界です。

反対に、ALPINAとしては、このエキパイとフューエルポンプのギリギリ限界までチューニングしていたことになりますから、当時のALPINAは大したものだったとも言えます。

いずれにせよ、限界までチューニングされたこのB10クーペに、このターボキットを取り付けてもせいぜい数馬力しか上がっていなかったことが分かります。
誇大広告というよりほとんど詐欺ですね。

もっとも、これは最大出力の話で、ターボで過給すれば中間加速はトルクが大きなる分速くなりますから、0-100km/h加速とか0-400mの計測タイムは上がっていたとは思います。




こういうことは当時のモーゼルマンも分かっていたのでしょうね。
タービン自体が、280馬力仕様のものです。
写真右のエキパイがつながっているものです。
左側は、日産シルビアのチューニングなどでよく使われていた260馬力仕様のタービンです。
ほとんど同じ大きさなのが分かります。
ちなみに下側の大きなタービンは、400馬力仕様です。

えちごや皆口さんとオーナーで相談した結果、どのみち300馬力オーバーで作るとミッションが一瞬で壊れる可能性が非常に高いということで、付いていたタービンをOHに出し、フューエルポンプとインジェクター、それにマフラーはもう少し容量の大きなものに変更して、280馬力〜300馬力くらいを狙ってみようということになりました。



By OZW



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