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W124 300TE 足回りのリフレッシュ その17


フロントロワアームのボールジョイント。
状態はそんなに悪くありませんでしたが、ここまできたらもう全部交換でしょう。

これの脱着専用のSSTがあります。
ありますが、汎用のカラーをちょっと工夫して使えば普通の万力でも出来ます。




ロワアームブッシュ。
叩けば外せますし、入れるのだってSST無しでも出来ます。

もちろん、SSTがあれば効率よく、且つ失敗なく作業出来ますから、あるに越したことはありません。
でも、正規の整備書に出て来るSSTを何もかも全部揃えているところなんてディーラーでもないでしょう。

SJはたまたまSSTに関しては、それを販売していることもあって恵まれた環境にあるのですが、みなさん汎用工具を工夫して使ったり自作のSSTで作業されている部分もあるのだと思います。
頭が下がります。




新品のロワアームブッシュ。
ヒゲの数で前後の指定もありますし、見て分かる通りゴムの部分が楕円なので入れる角度の指定もあります。
また、他のブッシュは一つの穴に対して1個のブッシュですが、このロワアームのブッシュだけは2個一組で、中心にスリーブを入れ、それで連結させる仕組みになっています。

スリーブの片側は開いていますが、反対側はブツ切りのままです。
ブッシュ挿入後そこを開いてカシメて、2つのブッシュを固定するわけです。




ロワアームブッシュを入れる時にも使うSSTですが、スリーブにカシメを作って2つのブッシュを固定するときに使います。




このようにカシメて、固定しないとブッシュの意味がなくなってしまいます。
カラーを開く汎用ツールはあるのですが、ここは専用ツールを使って両側からブッシュに圧力をかけながらスリーブを開いてブッシュを固定したいところです。

124のフロント足回りの整備で必要なSSTはいろいろありますが、純正SSTでどれか一つだけ揃えていい、と言われれば、やはりこのツールではないでしょうか。

もっとも、こういう純正のSSTを見て、何のためにどういう働きをするツールか考えて、汎用ツールを組み合わせたり、自作のSSTを作って作業するのも、メカニックさんたちにとってはひとつの醍醐味には違いないと思います。

なので、純正SSTを全部揃えていないからダメな工場なんてことは決して言えません。

スリーブを開かないで付けちゃうのは問題外ですが、ただ拡げればいいってわけではありません。
要は、構造とその働きを理解して整備できてるかが重要なんだと思います。



By OZW






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