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業界のわがまま伝説


その人は、その幅広い知識からその車の歴史、設計思想から高度な技術解説までを独自の視点で鋭く解説することで有名な自動車評論家です。
彼のファンは多く、彼の記事があるだけで1万部は余分に売れると言われるほどです。
そんな訳でどの自動車雑誌からも引っ張りだこかと思うとそうでもなく、事実ほんの数誌にしか寄稿していません。
というのも、このひとは編集者泣かせとしても有名で、そのわがままぶりもなかなか素敵なんです。

書きたいものしか書きません。
メーカーに気を使った記事なんて書けません。
だから、日本カーオブザイヤー選考委員は随分前に辞めました。
曰く
「提灯記事ばっかり書いてるやつらと一緒にされるのはヤだ」

その人は、気分が乗らないときには記事なんて書きません。
書いて欲しいなら気分を乗せなきゃいけません。
だから、たとえ夜中でも編集長は突然の電話で「ラーメン食いに行くぞ」と誘われれば絶対に断ってはいけません。それどころか、そろそろ夜中のラーメン食べたくなる時間かなと頃合を見計らって、こちらか誘うくらいでないといけません。

夜中はもちろんラーメンだけではありません。
自宅にはPS3があるのですが、パイプフレームに本物のバケットシートを組み込んだコックピットでグランツーリスモなども嗜まないといけません。
もちろん本気で攻めないとヘソを曲げられます。

試乗記事を書いてもらう時はもっと大変です。
何しろその人は、ちょっと乗っただけでは書いてくれません。
だから、メーカーと交渉して広報車を数日間は借りてこなくてはいけません。
しかも場合によってはけちょんけちょんに貶す記事になるかもしれないわけで、二度とそのメーカーの広報車が借りられなく危険もあります。
事実2回ほど続けてベンツを悪く書いたらしばらく借りられなくなったそうです。(ケツの穴が小さいぞ、ベンツジャパン!!)

思えば、自動車雑誌が売れなくなったのも提灯記事ばっかりになっていったからじゃないでしょうか。
編集者もサラリーマン化していってますます面白くなくなる。
そんな中でまだ頑張っている一部のライターさんと編集長さん、大変だろうけど頑張ってね。

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