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単位を揃えてみたら


中学受験の算数で速さの問題は、今も昔も入試の定番中の定番です。
簡単な例だと、A君が自転車で毎分○mの速さで出発した何分か後にお父さんが時速○○Kmの車で追いかけたら何m先で追いつくかみたいな問題です。
分速、時速、m、Km、まず単位をどっちかに揃えないとややこしくなっちゃいます。
なので以前中学受験のクラスを持っていた時には、「単位を揃えて・・・」と何度口にしたか分かりません。

そういう経歴があるからかもしれませんが、ここ数日のニュースには何か違和感を感じています。
マイクロシーベルト、ミリシーベルト、毎時なのか総量なのか、ごちゃごちゃなんです。

一昨日も、福島原発から20キロのところで、放射線は330マイクロシーベルト/時だから直ちに健康に影響を与えるレベルではないとかって放送されてましたが、直ちには影響なくても将来どうなのよ?と画面に向かって突っ込みを入れたのは私ひとりではないでしょう。

たとえば、4シーベルト浴びると人は死ぬそうです。
また、400ミリシーベルトだと白血病になるリスクが非常に高くなるともいわれています。
これらは、毎時ではなく一瞬でも1カ月かけて浴びてもそうなるということなので、積算値ということです。

一方、一般人にそれ以上浴びさせてはいけないと法律で定められた限界値は、1ミリシーベルト/年だそうで、これは1年単位の話です。
放射線診療従事者の線量限度は一般人のそれよりは少し高めの設定ですが、それでも妊娠可能な女性は3ヶ月で5ミリシーベルトを超えられないし、妊婦は3カ月で2ミリシーベルト、胎児は1ミリシーベルトを超えられない、とあります。
こちらは3カ月間の総量の話ですね。

ということで、とりあえず単位を、3カ月、ミリシーベルトで揃えてみると・・・

人が死ぬのは、4,000ミリシーベルト、白血病が400ミリシーベルト、これは総量ですが、トータル3カ月かけて浴びても同じことだそうですからこのまま使います。

浪江町、最大330マイクロシーベルト/時ということですから、
0.330ミリシーベルト X 24時間 X 90日 = 712.8ミリシーベルト

---> 白血病確実


福島市、文科省データで最大、毎時22マイクロシーベルト
0.022ミリシーベルト X 24時間 X 90日 = 47.52ミリシーベルト

---> 胎児、妊婦はもちろん妊娠可能な女性の許容量の10倍


東京、最大で毎時1マイクロシーベルト
0.001ミリシーベルト X 24時間 X 90日 = 2.16ミリシーベルト

---> 胎児、妊婦は許容量オーバー
胸部レントゲンが 0.05ミリシーベルト程度なので、東京でさえ3か月間に43回もレントゲン撮るのと同じレベルだったわけです。

これらを何の問題もないと連呼していた女子アナは多分単なるアホウなのでしょうが、横にいた学者はどういう意図だったのでしょう??

確かに人間には自然治癒力があるから150マイクロシーベルト/時くらいなら何の問題もないと主張している学者もいますが、年1回のレントゲン検診を2回にするだけでも全国民で見れば癌患者がいくらか増加する可能性もあると唱える専門家もいます。
どちらが正しいのか分かりませんが、少なくとも浪江町のレベル、1時間に6回ずつ延々とレントゲンを浴び続けて問題ないというのは私には信じられません。

ただ、誤解されるといけませんが、これはあくまで今までの最大値を元に24時間ずっと外に居て、尚且つその状況が3カ月続いたらという計算結果です。
今現在の観測値はこれよりずっと小さいようですし、比較的気密性の高い家の中だとさらに10分の1程度になるようです。
それにいくらなんでも問題解決に3カ月もはかからないですよね。
(ただ、逆に風向きと3号機の状況によっては、さらに酷くなる可能性も否定できませんが)

私の教え子にも一人東京電力で働いているものがいます。
原発には係わっていませんが、配電のシステム系をやっていると以前話していましたから、今回の計画停電の作業には携わっていることでしょう。
もし君がこのブログを目にしたら、まだ小学校の算数レベルのことをやっているのかと笑うかもしれませんね。
笑い話で終わってくれることを切に願っています。


By OZW



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