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次期車輛復活計画29

 
急遽、愛知県から東京まで乗って帰ることになった E60 ですが、かかえている大きな問題というのは




これです。
右側のドライブシャフト

写真では分かり難いのですが、少し捻じれてしまっています。
リフトアップしてドライブさせたところを下から覗いて見ていると、ウニョンウニョンといった感じで回っていて、誰が見ても明らかに歪んでいるのが分かります。

500E倶楽部 編集後記のNIIBEさんに言わせると、ちゃんとパワーの出ている6リッターで踏み込む人ならみんなこの部分はこうなってしまっているんだとか。
本当かなあ?

でも、確かにNIIBEさんもえちごやの皆口さんも、走行中にここをへし折っています。
消耗品ってことでしょうか?

国内在庫無しだったので、本国発注してあるのですが、まだ届いておらず、この日は捻じれたまま乗ることに。
皆口さんは、ノーマルマフラーのお蔭で期せずしてディチューンされてるから、1速でASRがバリバリに効くような走行しなければ、この状態でも折れちゃうようなことはないから大丈夫と言いますし・・・
本当かなあ?




近くの銀行まで、最初は恐る恐る、でも結局床までアクセル踏んで発進させてみましたが、大丈夫そうです。

BRABUSエンジンは、全部バラしてバランス取り直して磨いて組み付けるというフルOHのファインチューニング後にまだ慣らしも終えていない状態で保管(放置とも言う)されていたので、ほぼ新品状態です。

更に、ファイナル2.82ということもあって、1速の出だしは えちごや1号機と同じくらいの加速をします。
つまり、いきなりホイールスピンです(^^;;
ただ、500E用のノーマルマフラーのせいで、4000rpmから上は完全に糞詰まりな感じです。

ちなみに触媒が詰まってしまっているわけではありません。
多分、1号機に乗っていなかったら上で詰まっているとは感じなかったと思います。
あの加速感は知らなかったほうが幸せだったかもしれません。

FRPボンネットとトランクなどの軽量化モディファイと、電動ファン化やその他補機類の現代化?による馬力損失の低減でカタログスペック以上の実力は持ち合わせているのでしょうけど、旧式の4速ATと上での糞詰まりで、0-100km/h は、何とか5秒が切れるかといったところでしょうか。




このクルマが本領を発揮するのは、100km/hを越えてからのようです。
走行車線から加速しながら追越し車線に入ってさらにちょっとだけアクセルペダルを踏み込むと前の車を一瞬でパス出来ます。

急カーブではドライブシャフトのことがあるので踏めませんでしたが、中高速コーナーは、トルクで曲がっていく感じがたまりません。
アクセルペダルの踏み方次第で弱アンダーからニュートラル、その気になれば弱オーバーステアまで簡単に持って行けます。

W124 500E と比べると、たった1Lの排気量差ですが、この数字以上にとてつもなく大きな違いです。
感覚としては、124 500Eのエンジンがそのままなら 150Kg軽量化すれば、こういう走りになるんだろうなというイメージです。
FRPやカーボンパーツを多用し、シートは運転席以外は外す、エアコンも内張りなども全部取り外して、フロントガラス以外をアクリル製にする等していけば 100kgは軽くできるでしょうが、そこから更に 50kgの軽量化はかなり難しいでしょう。
つまり、このE60は、500Eの延長線上にあるというよりは、別のクルマと捉えたほうがいいかもしれません。




作業途中とはいえ、あれだけの防振防音処理を施しただけあって、滅茶苦茶静かなクルマです。
走行中は電動ファンとAピラーのところの風切音くらいしか聞こえてきません。

乗り味は、全体的には少し硬めです。
E60は、AMGもBRABUSも新車のときの乗り心地を知らないので何とも言えませんが、私の経験の中では新車からしばらくの間乗っていた W124 3.4 AMG の感覚に非常に近いものを感じました。
新車時の3.4 AMGは、サスのストロークは十分に確保されているのに、物凄くソリッドでダイレクト感があって全ての動きがシャープでした。

その後は、何度か友人からしっかりと整備された3.4 AMGを借りて乗る機会はあったのですが、あのソリッド感を感じることはありませんでした。
もしかすると、あの感覚は頭の中で美化されてしまったもので実在しないものだったかもしれないと思うようになっていたのですが、体はちゃんと憶えていたんですね。
パーツを換えれば新車に戻せるといいつつも、友人の3.4も 実は全然戻せていないのでしょう。
10年、20年経って、10万km以上も乗っていれば、いくらディーラーのお任せ整備といっても、何もかもを新品状態に出来ているわけではありませんし、タイロッドひとつとっても、ただ交換すればいいわけではなく、どの向きにどの程度テンション掛けて取り付けるかということを分かっているメカニックもどんどん少なくなっているようですから。

深い知識と技術のあるところでレストアする醍醐味は、こういうところにあるわけです。



By OZW



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