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W124 M119 の水温

 
晴れた日には水温が気になる季節になってきました。

「オリジナルの状態で水温が高くなるのはどこか壊れているからだ」
「俺の119は水温なんて上がらないし、少なくともディーラー車なら新車の時にそんな水温上がってたらクレームの嵐になってたはず」
という意見もよく聞きます。

ある意味正しい意見ですが、全てのケースで正しいわけでもありません。

たとえば、
「俺のクルマの水温は大丈夫」というひと、恵まれた交通環境にいるひとが多くありませんか?
同じ車をビルや遮音壁に囲まれた都心の大渋滞で走らせても本当に大丈夫でしょうか?

「新車の時にクレームなど問題とならなかった」といっても昔とは環境が変わっています。
地球温暖化は本当か怪しいところもありますが、都心部のヒートアイランド現象は確実に酷くなっていて、例えば夏の熱帯夜の日数は1990年と2010年以降では倍に増えています。
今現在、新車で販売されていたら、もしかすると一部の地域ではクレームになったかもしれません。
ほんの数度の外気温の違いが、水温の大きな違いになるという話しは以前にも書きました。

もちろん、どこかが壊れている場合には、確実に水温は高くなります。
これに関しては絶対的に正しい意見で、壊れた部分を直さないで、いろいろ手を加えて水温を下げようとするのは順番が根本的に間違っています。




外気温30度程度、首都高で 60km/h〜80km/hで流れているときの E60のロワホースで測った水温です。
エアコン入れてるので電動ファンが弱で回っている状態です。
でも、実はその速度で走り続けていれば、電動ファンが完全にオフでも 80度程度にしかなりません。
私のE60は、えちごや特製のアンダーカバーとボンネットにダクトもあるからというのもあるのですが、オリジナルノーマル車でも、90度程度までしか上がらないはずです。




純正の水温計はラジエターアッパーホースの水温表示です。
100km/h巡航時、電動ファンは完全オフです。
ノーマル車でも、100km/h〜160km/h巡航なら本来90度行かないはずです。

でも、急な加減速の繰り返しや、200km/h以上の巡航では、ノーマル状態では100度なんてこともあり得ます。
特に6Lは設計温度が22度なんですから、話になりません。

以上まとめると
渋滞時の水温上昇は、その時の湿度や外気温、渋滞の場所と大きさによるところが大きいので、正常なのかどうかの判断は難しい。
超高速域や過激な加減速での水温上昇はノーマルではある程度仕方ない。
いくら外気温が高くても 100km/hプラスαでの巡航で水温がなかなか下がらないとしたら、どこかの不具合を疑ったほうがいい。
ということでしょうか。

この場合の原因としては、多くは
カップリングファン(最近のは純正品でも寿命が短い。数年?)
ウォーターポンプ(漏れなきゃ換えないといのは間違い。消耗品です)
ヘッドガスケット抜け(一度も換えていないクルマで水温高めなら抜けている可能性大)
のどれか、またはこれらの複合のようです。

ちなみに、私のE60はどんな状況、どんな滅茶な走りをしてもロワホースの水温は83度くらいまでしか上がりません。


By OZW



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