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次期車輛復活計画12

 
走りの楽しさという点においては、ここ四半世紀の間ほとんど進化していないどころか、むしろ退化しているとさえ思える最近の車ですが、やはり省燃費のための効率化という部分では劇的な進歩を遂げている部分もかなりあります。

インジェクターの多孔化による霧化改善とそれを制御するECUのハード、ソフト両面での進化は、出来ることならW124などのネオクラシックなクルマにもいつかは取り入れたい部分です。

それはともかく、先週えちごやさんに寄って復活作業の進捗状況を説明してもらっていたのですが、その途中で突然、「あれっ! 漏れてる!!」との指摘が。
エアコンコンデンサーの下のほうから冷媒のオイルらしきものが光っていました。




この純正のコンデンサーですが、作りは大変凝ったもので、パイプと本体との接合は銀ロウを使ったもので手間の掛け方が今時のパーツとは全く違います。
そのおかげで四半世紀も持ったわけですが、如何せん設計があまりに古く効率の点では完全に時代遅れなものになっています。




この時代の冷却の設計は、少ない冷媒ガスに大きな圧力をかけ、それを一気に冷やすというものでした。
本体につながるパイプは故意に細く絞られています(赤丸の部分)。
そのためコンプレッサーの負荷も大きく馬力損失は最新のものに比べると倍近くあり、馬力だけでなく燃費も渋滞時の発熱に関してもいいことは何もありません。




これは、デンソー製をベースに加工して取り付けたコンデンサーで、ガス圧に頼るのではなく、流量を増すことによって冷やすという今時の設計思想で作られたものです。
純正品に比べ、とにかくパイプが太いのが分ると思います。
コアの通路の中にも波加工されているので薄さは純正の3分の2くらいですが、それでも十分な効果が得られるとのことで、この500Eのオーナーさんも炎天下の渋滞でさえ寒いくらい冷えると話していました。

「今から作らせるんだけど、こっちに換えておく?」と言われ、
二つ返事で「お願いします」と答えてしまいました。

これでまた部品待ちと作業時間が追加されることになります。
復活の日はまだ遠いかも・・・


By OZW


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