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500E用 排圧可変バルブマフラー完成

 
レストア中のE60ですが、車はほぼ仕上がっています。
あとは、ちょっとした調整と車検を取るだけなのですが、なかなか手を付けてもらえません(泣)



一番の理由は、これ
500E用 排圧可変バルブマフラーです。(画像はプロトタイプ)
えちごやの皆口さん、ひとつごとに集中して作業し出すと他は何も見えなくなります(笑)

排気脈動による排気の慣性を利用し、排気バルブの後に負圧を発生させて、バルブオーバーラップ時に排ガスの掃気と混合気の充填を効率化するわけですが、通常のマフラーでは、どの回転域にそのポイントを持ってくるかは結局のところ妥協でしかありませんでした。
高回転時の高出力を狙えば低回転時のトルクを犠牲にするしかなく、逆を狙えば上で糞詰まりです。

解決策は、可変排圧バルブマフラーしかありません。
実は、えちごやさんの可変背圧バルブマフラー自体は2005年には既に作られていて私のE60にも装着されています。
もっともこれは、1本マフラー管のセンターマフラーの後ろ側に排圧可変バルブを装着して、タコメーターと連動させたダイアフラムで3000rpm以下では50%以上閉じる設定になっている第一世代のものです。
パイプ径を可変させるタイプですね。




今回のものは、リアマフラーの直前にアストンマーチンに供給されているのと同じバルブを付け、アクセル開度とエンジン回転数に応じて流路を切り替え、パイプの長さを可変させる第二世代になります。
パイプ長によるトルクコントロールだけでなく、使用するサイレンサーも切り替えているので、サウンド設計の自由度も格段に広がることになります。




こだわりは、アンダーボディーへの収まり具合にもあります。
その気になれば車体下側を全面アンダーカバーで覆ってしまうことも出来そうです。
この状態を想定して、センターマフラーの形状を設計していたのは流石です。
高速では、まさに路面に張り付くように走るはずです。


特定の回転域で排気バルブの直後に負圧が発生するポイントの計算は、圧力波・反射波のスピードとパイプの長さ(距離)で求められます。
圧力波は音速に等しく、音速は空気温度で変化しますから、当然これも排気温度によって速度が異なりますが、温度測れば計算出来ます。
というか、理論と計測、計算無しにはこういう複雑なマフラーなんて作りようがありません。

ですが、実際にはパイプの曲がり具合や材質によっても計算通りの結果が得られるとは限らないので、結局何度も試作品を作っては修正し、の繰り返しになったようです。
特にサウンドについては、全く新しい管楽器を一から作るようなものですから、第一世代から10年、アストンマーチンのバルブの供給を受けてから数えても、完成までにまるまる1年かかったのも頷けます。

値段はまだ決まっていないそうですが、アストンマーチンのエキマニから後ろ全部含めた純正可変バルブマフラー一式くらいの値段じゃないかと予想しておきます。

受注生産です。
興味のある方はお問い合わせください。




By OZW



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